2017年08月31日
日本の梅干 タイの梅干
先日同僚のTさんから梅干を頂いた。
聞くと日本のお盆休みに、娘さんがお孫さんを連れて遊びに来たそうで、
日本の土産として、鹿児島にお住まいのTさんのお母さんが作った梅干
だそうだ。
この梅干2~3日冷蔵庫に入れておいて忘れていたのだが、思い出して
食べたら塩気が適当に効いていて塩辛くはなく、食感はモチッとしていて
非常に美味しく、一緒に入っているシソも中々美味しく、それ以来毎日2~
3個づつ食べていて、もうすぐなくなってしまいそうで、残りは小皿に入れて
冷蔵庫の隅にしまいこんだ。
下の写真は、シラチャに住んで間もない頃、古い友人が「タイの梅干を手に
入れたから」と言って梅干の詰まった大きな入れ物を持ってきてくれたもの
である。
今はもう入れ物に貼られたラベルも剥れてないが、こちらはただショッパイ
だけで最近はたまに食べるが、殆ど保管しているだけになってしまった。
友人はヤワラートで見つけたと言ったのでもしかしたら中国産かもしれず、
シソなどは入っていない。
ところで、梅はタイ語で「ブーアイ」と言うのだが、では梅干のタイ語はある
のかと思って調べたら、ブーアイ・ドーンとタイにも梅干があったのである。
そこで多分チェンマイ・チェンライの方で作っているのだろうと思って調べ
ると、思いがけずいい話に巡り合った。
2000年頃、青年海外協力隊で活動なさった大浦靖生さんという方が、
チェンライのルワムジャイ村という山岳民族の貧しい村を訪れ、そこでの
暮らしぶりを見て、この人達のために何かをしなければと思い立ち、ここの
気候に合った梅干作りを勧めたそうである。
ところが梅干を食べた人達は、こんなショッパイものが売れる筈がないと
言って取り会おうとしなかったそうだが、大浦さんは何とか協力者を見つけ、
少しづつ理解者を増やしていったそうである。
それが今やタイ政府の1村1品政策の認定品になり、大浦さんの活動で
バンコクの富士スーパーなどでも売られていて、売れ筋商品だそうである。
残念ながら私は現品を見ておらず、食べてもいないので推測で申し訳
ないが、多分下の写真がそれだと思う。(写真は私の撮影でなく、申し訳
ありません借用しました)
その後この村は豊かになり、村の人達は「ヤスオに会いたい」と願った
そうである。
大浦さんが帰国後、この話は後日日本にも伝わり、どこかのテレビ番組の
「走れ!ポストマン」とかいう番組にも取り上げられたそうだ。
この番組を見ていたある日本人の奥さんが書いたブログに、バンコックに
いた頃富士スーパーでこの梅干を見つけ、ファンになったと書いている。
その味は「お婆ちゃんの味」の梅干だそうである。